2025年1月のアップデートにより、キャンペーンレベルでの除外キーワード設定や価値の高い新規顧客モードなど、より細かな調整と効率化が可能になりました。
今回の記事では、P-MAXキャンペーンの基本的な特徴やメリットから、最新アップデートで追加された機能のうち、特に注目しているものをピックアップして解説します。
アップデートの内容やお調べの方はぜひご覧ください。
P-MAX キャンペーンとは
P-MAXキャンペーンはAIを活用し、検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、マップなど、Google全面へ広告を配信できる機能です。
そんなP-MAXキャンペーンを使用するメリットとして以下の2つが挙げられます。
- AIによる自動化
- 複数の広告枠にまとめて配信できる
広告アセットと広告目標を設定するだけで、P-MAXが「どのユーザーに、どのチャネルで広告を出すのが一番効果的か」を判断して自動で配信してくれます。
そのため、知識や経験がなくても、広告を配信できるのが大きな魅力です。
また、検索結果に表示する広告、ディスプレイ広告、YouTube広告など本来別々に設定が必要だった配信面をまとめて設定できるのもメリットとして挙げられます。
既存のキャンペーンと組み合わせることで、より広い配信面に効率良く広告を出すことが可能です。
自動で全ての配信面に広告を出せるのは大きなメリットですが、費用対効果を最大化するなら配信面を限定した広告と併用するのがおすすめです。
P-MAXは配信面を限定した広告の設定も読み取って学習するので、さらに精度が高まります。
メリットの一方で、機械学習の序盤は効率良く学習を進めるために「配信費用が高騰しやすくなる」デメリットもあります。
また、配信自体は初心者でも行えるものの予算の最適化、配信目標やアセットの設定をベストな状態にするには知識と経験が必要です。
「もっと効率良くP-MAXを使いたい」「最初からベストな広告配信をしたい」とお考えの方は、ぜひお問合せフォームからご相談ください。
【2025年1月】P-MAX最新アップデートの内容
P-MAXの最新アップデートで以下6つのポイントが変更されました。
- キャンペーンレベルでの除外キーワード設定が可能に(最大100個)
- ブランド除外を「検索広告のみ」に適用できるように(ショッピング広告は維持)
- 「新規顧客モード(価値の高い新規顧客モード)」が利用可能に
- デバイスターゲティングが適用&年齢の除外が可能に(ベータ版)
- 「検索テーマ機能」の正式リリース
- アセットグループのパフォーマンスをセグメント化する機能が改善
6つの新機能や変更のなかでも、特に注目しているのが「キャンペーン単位のキーワード除外」「新規顧客モードの新機能」「検索テーマ機能の正式リリース」の3つです。
これら3つのアップデートの詳細を解説していきます。
注目アップデート①:キャンペーン単位のキーワード除外が可能に
P-MAX専用でキャンペーンごとに、最大100個まで不要な検索語句を登録できるようになりました。
元々不要な検索語句の登録方法は以下2つのみ。
- アカウント全体でのキーワード除外設定
- 難易度の高いフォーム申請
アカウント全体でのキーワード除外だと細かな調整が難しく、フォーム申請での除外はキーワード数の制限がないものの、手間がかかるのがデメリットでした。
P-MAXでキャンペーン単位の除外が可能になることで、細かい調整をしつつ、フォーム申請の手間を省くことができます。
しかし、正式リリースではなくベータ版のため除外できるキーワードが100個と少なく、大規模な広告運用に使うのは難しいのが現状です。
(3/12追記:2月末に正式リリースされ、除外できるキーワードが1万まで増えました。)
そのため、弊社では今後もフォーム申請での除外を行いますが、正式版のリリースに伴い、除外できるキーワード数が大幅に増加すれば実務での運用も可能になるかもしれません。
今後の動向に注目です。
もし、現在「除外キーワードを増やしたいけどフォームは難しそう」とお悩みなら弊社にてサポート可能です。
お気軽にお問い合わせください。
注目アップデート②:新規顧客モードに新機能が追加
新規顧客の獲得を重視して広告を配信できる「新規顧客モード」に新機能が追加されました。
追加された「価値の高い新規顧客モード」は新規顧客の中でも、特に大きな利益が見込める顧客を重視できます。
新規顧客モードの基本的な解説と新機能について本章で解説します。
新規顧客モードとは
その名の通り、新規顧客を重視して広告を配信するのが新規顧客モードです。
通常、Google広告は新規顧客と既存顧客を区別せずに配信します。
ですが、新規顧客モードでは顧客の購入履歴データなどを参照し、新規顧客か既存顧客かの判別が可能です。
ここで新規顧客と判別されたユーザーに集中して配信することで、既存顧客への配信を抑えながら新規顧客を獲得できます。
リピーターも確保しつつ、新規開拓を重視したい業種(ECサイトやサブスクリプションサービスなど)に特に向いているモードです。
アップデートで追加された機能
今回のアップデートで新規顧客モードに「価値の高い新規顧客モード」が追加されました。
価値の高い新規顧客モードは「新規顧客の中でも特に大きな利益が得られる顧客」を優先的に獲得するためのモードです。
まず、「どんなユーザーが自社にとって価値が高いか」を定義するために、広告主側がGoogleへ情報を提供します。
- Google 広告データマネージャーを介した CRM コネクタと CDP コネクタ
- Google Ads API
- 直接アップロード
いずれかの方法で情報をGoogleに提供することで、似た特徴を持つ顧客を予測・発見し、大きな利益が得られる顧客を重視した配信が可能です。
つまり、新規顧客を増やすだけでなく「将来的に大きな利益をもたらしてくれる顧客」を狙っての広告配信が可能となりました。
新規顧客モードとの使い分けは新規顧客の「数」と「質」どちらを重視するかで検討するのが良いでしょう。
アップデート③:検索テーマ機能の正式リリース
P-MAXの機械学習効率を上げることのできる検索テーマ機能、その正式版が今回のアップデートでリリースされました。
ベータ版時にも利用できた検索テーマの機能と、今回正式リリースに伴って追加された新機能を解説します。
検索テーマ機能とは
検索テーマ機能はユーザーの検索意図に基づいて関連する検索クエリをグループ化し、広告配信に活用できる仕組みです。
P-MAXに広告主の持っている知見を落とし込むことで、機械学習の効率と精度が向上します。
例えば、検索テーマに「スニーカー」を設定すれば、AIが「スニーカー おすすめ」や「運動靴 通販」など関連性の高い検索クエリを見つけ出し、広告を表示してくれるイメージです。
特に以下のような状況であれば、検索テーマ機能が有効です。
- まだ、ランディングページに詳しい情報がない
- 新規市場や新商品でデータが少ない
- 短期間でキャンペーンを軌道に乗せたい
P-MAXの弱点である機械学習に要する時間と費用を削減したい際や、データが不足している際に重宝します。
正式リリースで追加された機能
実は以前の検索テーマ機能はベータ版で、直近のアップデートにより新機能が追加されました。
追加されたのは以下2つの機能です。
- ソース列の追加
- 有用性を示すインジケーター
まず「ソース列の追加」により、「P-MAXが判断して配信したのか」「広告主の設定した検索テーマによって配信したのか」が簡単に見分けられるようになりました。

引用元:Kick off 2025 with new Performance Max features
画像の「Source」と記載された列を見ると「P-MAX」による配信と「検索テーマ機能」による配信が判別できます。
この機能により、P-MAXによる配信と検索テーマによる配信のどちらが効果的かを判断しやすくなる上に、P-MAXが不要なキーワードで広告を表示していないかの確認も可能です。
また、設定した検索テーマが有用か否かを示すインジケーターも追加されました。

引用元:Kick off 2025 with new Performance Max features
設定した検索テーマがリーチの向上に役立っている場合、左に緑色の矢印が表示されるようになっています。
検索テーマが有効か否かを一目で判断できるため、利便性を高めてくれる追加機能です。
まとめ
2025年1月のアップデートでは「キャンペーン単位での除外キーワード設定」を筆頭に「新規顧客モードの新機能」や「検索テーマ機能の正式リリース」など、既存の機能がより便利になる改善が施されました。
P-MAXを使用する際に、新機能にもぜひ注目してみてください。
そしてP-MAXのみならず、広告運用やWEBマーケティングでお困りのことがあれば、WEBマーケティングをワンストップで行える弊社にぜひご相談ください。
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